昇華転写に求めるもの・プリンター
吐出の安定
昇華転写の世界では、日本製のプリンターが多く使われています。
その中でも純正インクを持つメーカーと持たないメーカーがあります。
純正インクを持つメーカーは、ユーザーにとって保守の面で有利なケースがありますが、生産量が多くなるほどインク価格も下がり(プリンタが5台10台~)、社内に保守の技術が成長した場合、保守に掛かる経費に大きな差は起きなくなります。
しかし通常メンテナンスさえ大変な作業であり、流路に絡むメンテナンスになるとかなりの経験を積まなければ保守できません。
夜間出力が常態化してきている現状で、翌朝すぐに稼動する、また連休後の稼動始めにも問題ない機械とインクが望まれます。
当たり前のことを話しているようですが、10年来昇華転写に携わってきたユーザーでも未だ不満が出る部分です。
転写紙の送出しと巻取り
インクの吐出安定と同列に重要な課題が転写紙の送りの安定と巻取りの締まり具合です。
転写紙は湿度の影響を強く受け、開梱した段階、インク吐出中、乾燥中、巻取り後、幅が常に変化します。部屋の環境も大事ですが、転写紙をプラテン面でヘッドが擦らせず、乾燥、巻取りへと移行しなけければなりません。
紙の性能も大きく関係しますが、プリンター側でも補助しなければ安定しません。
昇華転写では生産性を高めるためプレス機はロールタイプを多くの場合選択します。転写紙、原反生地、アンダーペーパー、それぞれを安定して熱源に投入させるにはそれぞれの材料に要求があります。
出力した転写紙は、強く締まって巻き取られ且つ端口が真直ぐ揃っている事が、転写工程のトラブルを減らします。